北千住BAR/オールドロックから現代ロックまで幅広く楽しめるロックバー/200種類以上のカクテル/お食事も豊富でデートにも最適

ROCKBARのblogである以上避けては通れぬ音楽ブログ。長くなるから逃げてきましたがそうも言ってられずとうとう向き合う日が来ました。
このブログで普段あまり人に話さない音楽趣味や、アルバムやミュージシャンへの想いを曝け出します。
長文大作になるので、興味ない人はここで閉じて下さい。

あまり偏らず色んなジャンルについて話したいんだけど、それじゃキリがないから、これまでに感銘を受けたアルバム、曲、ミュージシャンの一部を取り上げます。


1、COLD PLAY / X&Y(アルバム)


これを初めて聴いた時はしばらく放心状態になりました。今でもたまに聴きますが、とにかく完成度が高く、世界観に一貫性があり、故にアルバム1枚通して気を抜けずグッと引き込まれてしまいます。
『よくいるUKバンド』と思った1枚目から、『天才かよ…』と思った2枚目、『この先UKは彼らが背負っていく』と信じた3枚目、『あれ?』と思った4枚目、『おい大丈夫かよ…?』と思った5枚目、『あーコイツら捨てたわ…』と確信した6枚目。
その後も追ってはいますが、未だに3枚目を超えることはありません。
バンドは本来変わってくもの、進化していくもの。もちろん変わらないのがいいってバンドやミュージシャンも沢山います。特にアメリカには。ただコールドプレイの変化は、『UKロックの象徴的存在、立場、責任』から身を引く変化に見えました。おそらく本人達もその立場をわかっててやったことでしょう。自分達はそんな立場にはいたくない、もっとカジュアルにポップに、別舞台へ、華やかな世界へ行きたい、的な。アホタレめ。
要するに、マルーン5になりたかったんだろ、て感じです。そうゆうことなんですよ。間違いないと思いますよ。でもね、そりゃ無理よ…。
ようやくUKロックの真髄を持ち得たUKの象徴的存在と呼べるバンドが出てきたと思ったんで、非常に残念でした。
『その変化は君らじゃないよ、マルーン5がやるし、アヴィーチがいるし、君らがやらなきゃいけないことはそれじゃない』
そのくらい彼等には背負わなきゃいけない立場と責任があったはず。
もちろん好みだから、今のコールドプレイの方が好きって人がいて当然だし、世代によってはそっちの方が圧倒的に多いと思います。別に今の彼らの曲が悪いとも思いません。
でも、余計なとこに首突っ込みすぎたなって。

当時、『コールドプレイはU2ぽいよね』『レディオヘッドになれないバンド』なんて声をよく耳にしました。でもそれは違って、そもそもコールドプレイの根底にある世界観や音楽性は、U2ともオアシスともレディオヘッドとも違いますからね。この話で大事なのはバンドのルーツにプログレッシブ要素がどれだけ含まれているかってこと。それがUKロックのトラディショナルな維持を意味するわけで、そこへきて彼らの根っこはGENESISですから。本人達は『フィル・コリンズのGENESIS』とか言ってるけどそんなのカッコつけ、ほんとは『ピーター・ガブリエルのGENESIS』が根底にあるはず。それを守りつつ作られたX&Y。それこそがUKロックのトラディショナルな維持と発展に値すると思い、ここまでの期待をしてしまったわけです。

話が逸れましたが、とにかく、凄くいいアルバムです。いつかまた、あの頃のCOLDPLAYを彷彿とさせるアルバムを出してくれることを待ち望んでます。ないだろうけど…


2、The Who / You Better You Bet (曲)


Whoを好きかと言えばまぁ好きだけど、いつも聴いてるわけでもなく、初期からずっと聴きたいかと言えば全くそんなこともなく、ただ、79、80、81年辺り、キース,ムーンが亡くなる直前だけがたまらなく好きです。
アルバムQUADROPHENIAも好きなんですが、今日は81年のYou Better…について話します。
この曲をリリースした時は、『Whoも変わったな』『ロックを捨てた』『ポップスに成り下がった』『あのWhoが恋愛ネタかよ』『キース・ムーンのドラムがつまらなくなった』などなどかなり叩かれたらしく、実際私もこの曲が一番好きですと言った時、『これはフーじゃないよ』『81年じゃんコレ』なんて言われたことがあります。
でもね、そこが良いんですよ。
上手く説明出来ないんですが、
60、70年代を走ってきたWhoが、80年代への時代の移り変わりにスマートかつお洒落に順応した姿。長髪を短髪に整え、ジャケットを着て、恋愛ネタを曲にし、キース・ムーンの代名詞とも言える破天荒なドラムは鳴りを顰めシンプルにタイトなドラマを叩き、Whoらしい大暴れするパフォーマンスもなく、でも過去を脱ぎ捨てたその潔さと、80年代に入って大人になったWhoの姿がカッコ良くて、そして何より、この変化のすぐ後にキース・ムーンが亡くなったことを思うと、これがWhoの集大成だった気がして、この曲を聴いてると少し切なくなります。
過去にしがみつかず潔く変わった81年のWhoは今でも賛否両論。キース・ムーンファンからすると、彼の死の直前だったことも相まってか、想いを馳せてしまう大切な1曲です。



3、SAM HUNT  /  1stアルバムMONTEVALLO


2ndアルバムSOUTH SIDE


サム・ハント。カテゴリー的にはカントリー扱いかな。歌い方もカントリーミュージシャン。一見野暮ったく見えるけど、サム・ハントはマジでおすすめ。マジで才能のかたまり、それでいてナチュラルにカッコいい。ほんとカッコいいんです。トラディショナルなカントリーもやれれば、決してカントリーの枠にとらわれることなくモダンポップスもやるしR&Bぽいこともやれる。カントリー畑でここまでやれる人はなかなかいない。並べるのはかわいそうだけど、ケニー・チェズニーがいくら頑張ってもこれはやれないし。近いところだと…トーマス・レット、でもこの色気はない。色気で言ったらキース・アーヴァンだけどトラディショナルなカントリーテイストは持ち合わせてないし色気の種類が違う。キース・アーヴァンも好きだけど、彼は上げ止まりもあれば下げ止まりもある。裏切ることはないけどイカせてもくれない感じ。
ただ、サムハントの欠点はアルバム出さなすぎるところ…。音楽趣味なのかよってくらい出さないからなかなか新しいのが聴けない。早く3枚目出せよ!
正直、彼の醸し出す色っぽさやポップスセンスはマルーン5にも出せないタイプのものだと思います。ほんと才能豊かな遊び人、て感じです。ほんとにオススメ。
早くアルバム出せ!


4.Buddy Guy  /  Born tn play guitar


現在世界一カッコいいジジイ。
2016年バディーの超大作。このジジイはここへ来て凄まじいアルバム出しやがったわけですが、さすが、あっぱれ。こんなの出されたら下の連中やりにくいだろ!って感じ。むしろ『お前ら俺が死んだ後コレやれんのか??!』って嫌味なメッセージにも取れなくない。
確かに、バディー死んだあと誰がブルース引っ張ってくんだ…といつも思ってるし、強いてあげるならロバート・クレイだと思うけど、誰がその役目を果たすにせよ、こんなの出されたらやりにくいのは間違いないでしょう。
72年ジュニア・ウェルズとの大作を彷彿とさせるような凄まじいブルースアルバムです。
ZZのビリーが1曲参加してたり、ロック色強い曲もあるけど、それもまたカッコいい…。
これ言うと異論持たれるかもだけど、バディーはほんとにジュニア・ウェルズ様々なんじゃないかと思います。あの作品があったからこそ今のバディーがあると言っても過言じゃない気がします。ジュニアに押し上げてもらったバディー…とまでは言わないけど、それに近いんじゃないでしょうか。
2021年?か22年にもう一枚アルバム出してますが、そっちもカッコいい。少し落ち着いて、何処となくBBのタッチを意識してるのかなって感じのギターが聴けたりもします。
もうタイトルがヤバいからw
それがこちら下の写真です。

ここへ来て、過去のバディーではなく最近のバディーを紹介出来てるってことが素晴らしいと思ってて、何年経っても50年前のアルバムしか取り挙げられないローリングナンナラみたいな化石バンドとは違うわなって感心です。そうゆう点ではディランにも同じ想いです。ディランは今が一番カッコいいんです。6.70年代じゃない。8.90年代を彷徨ったディランが今ヤバいほどカッコいい。どうしてもみんな6.70年代が色んなミュージシャンの一番いい時だと思いがちだけど、ちゃんと今を聴いてほしい。命は退化してるのに音楽は進化してるってミュージシャンをちゃんと聴いて下さい。『ディランのライヴ行ったけど、昔の曲やらなくて知らない曲ばっかでつまらなかった』なんてアホなこと言ってんの日本人だけでしょ。
話がディランに逸れちゃったけど、バディーも同じ。もう最後に近いここへ来てやってくれたなって感じです。
ブルースとかロックとかジャズとか、そんなことどうでもいいしそんなの分からない人でも、今のバディーの声とギターだけでその空間が支配されるから、ただ雰囲気モンで聴くだけでも損はないと思います。



5.JOHN MAYAR

ピラミッドの頂点。
エルビスがいて、ディランがいて、ボスがいて、そして今、ジョンメイヤーがいる。
アメリカの象徴。時代を創る人です。
黒人も白人もみんな彼のカヴァーするけど、誰も彼以上のモノには出来ない。

このアルバムが出た時、どれだけのミュージシャンがカヴァーに喰らい付いたか。

このアルバムが出た時、どれだけのミュージシャンが格の違いを見せつけられたか。でも本人はサラッとやってる感。

『最近はギターをあまり弾かない』とかつまんないこと言う人もいるけど、そんなのもうどうでもいいだろってほどの曲のクオリティー。ギターリストとしてしか捉えてない人はもう聴かない方がいいでしょうね。
マルーン5いわく『彼は天才、時代を創ってしまう。そしてそれを普通にやってしまう。僕らは努力するしかない、僕らは彼のようになりたいんだ』と。
これを言えるマルーン5もさすがだけど、きっとアメリカのミュージシャンはみんなそう思ってるんでしょうね。

こんなカッコいいクロスロードやられたらクラプトンはもう二度とやれないでしょ。実際やってないし。

彼を初めて聴いた時、ずっと6.70年代のロックを好きになれなかった自分が答えに辿り着けた気がしました。ドラッグカルチャー、ヒッピー思考、ベトナム戦争、サイケデリックをまとった時代、そうゆうのが直結し過ぎた音楽がずっと心から好きになれませんでした。

90年代2000年代だって結局はそうゆう部分が引き継がれて構築された音楽シーンだし、そうゆうのにウンザリしてたけど、ジョンメイヤーがそれに終止符を打ってくれました。

古いものがいいとか、ロックとは?とか、そんなことにこだわらず、今(現代)のサウンドに音楽に素直に向き合っていいんだと思わせてくれました。

当然彼は古き良き音楽やサウンドをリスペクトし、それをベースとしてるわけですが、それを更に進化させて現代風に仕上げるセンスが人並み外れてる。

この人が黒をやればみんな黒をやる。白をやれば白が流行る。

誰もがディランを聴いてた時代やみんながボスを愛した時代があったように、必ず時代は移り変わるわけで、だからきっとまたジョンメイヤーに継ぐ誰かが現れて時代を構築していくんでしょうが、しばらくは彼がシーンを支配していくことでしょう。
出会えて良かった。感謝してます。

今回はこれで終い。

次はカントリー縛りでブログ書いてみようかなと思ってます。古き良きカントリーから現代カントリーのオススメまで取り上げるつもりです。


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